トンヌラ頑張れ。超頑張れ。

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短篇(冒険中)

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 Primo bagno
新しい歳の朝焼けを、僕は冷たい床の上から眺めていた。きつく縛り上げられた手首は感覚をなくし冬の空気と変わらないくらい冷えている。もう何時間こうしているだろうか。廊下に物音がする度反射的に身を固くしつつも祈るような気持ちでドアに視線をやる。さんざん僕の身体を弄んだ王子はずっと前に出ていったきり戻ってこない。(う……)息を吐くと、また股間になまぬるいものが流れる感触があった。大部分は胎内に溜まったというの...

短篇(冒険中)

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 Ave Maria
---綺麗な瞳をしている。初めて彼に会ったとき、マリアはそう思った。月の都では殆ど見かけない夜闇の瞳。表情の無い陰気な目の子供だ、と口さがない大人達が噂するのをマリアは幾度も耳にした。鮫の目をした王子だと。けれど……光線の加減だったのだろうか?そのとき、王子の瞳は琥珀のような---或は秋の陽のような、深い黄金の輝きを抱いていたのだ。「はじめまして……ズィータさま。ムーンブルクより参りました、わたくしはマリア...

diva affonda

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 Diva affonda・9
「おお……おお…………!!!なんと………………これが竜王……素晴らしい……!!!」石と化した骨に何度も何度も思い描いたそのままの姿。僅かに王の面を過った恐怖の陰はそれをはるかに上回る歓喜に塗り潰されていた。竜の顎が神鳥の鎖を噛み砕き、掬いあげた赤子もろとも翼の皮膜に受け止める。トンヌラは泣き声をあげ続ける赤子を抱き寄せ、伸びた髪でその身を包んでやった。竜王は吼え、強靭な前肢のあいだにベスティアを押さえ込んだ。灼熱の塊が...

diva affonda

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 Diva affonda・8
「夜の闇よりも深い…漆黒の髪……揺らめく黄昏の瞳……ついに手に入れた……真竜王よ……」磨きあげられた巨竜の下顎骨に腰掛けた王は満足げに獲物の姿を眺め、真紅の酒に唇を濡らした。王の私室として特別につくられた広間にはあらゆる異質な魔獣達が檻に入れられ、ひしめいていた。薬で異常に筋肉を太らせられたグリーンドラゴン、聖水に半ば浸けられたままの骨竜……いずれも王の遊戯のため人の手で改造を加えられたものたちばかりだった...

diva affonda

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 Diva affonda・7
「しりゅうまどろむ みねみねに……おふるましろは かみとりの…………」 限りなく優しい子守唄が寒々とした広間に流れていた。血腥い獣の獄にはあまりにも似つかわしくない声。しかし、もしその歌を耳にするものがあったならけして歌い手が狂気に囚われているのでも自棄になっているのでもないことが窺えただろう。それは誰しもが母親の胸に抱かれていた幼い頃を思い出さずにいられぬような、甘くもどこか哀切を秘めた歌声だった。伴...
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