トンヌラ頑張れ。超頑張れ。

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□ 短篇(冒険中) □

迷夢

 それは、幸せな夢だった。

 不器用だけれど優しく、いつも仲間のことを気にかけてくれる明るい笑顔のローレシア王子。
ちょっぴり気が強くて、けれど本当の姉のように自分たちを引っ張って行ってくれるムーン
ブルクの王女。自分は夢の中でもたいして旅の役にはたてなかったが、それでも本当に
楽しかった。そこではこのいびつな身体も完全な少年のものだったのだ。あまりに幸せで、
あまりにすべてが望み通りで、だから彼にはそれが夢だとすぐに判ってしまった。
 せめて一秒でも長くそこにとどまっていたい……そんなささやかな願いは乱暴に開くドアの
音にたちまち破られた。また、長い夜が始まる。忌まわしい夜が。
 紫紺の鎧の青年はベッドに横たわるトンヌラを淫靡な視線で見下ろした。端正な顔立ちは
夢の中の王子とまったく変わらない。……しかし、表情ひとつで人の容貌というものはここまで
違って見えるのだろうか。
「どうした、今日は大人しいな」
「……………………」
当たり前のように彼は鎧を脱ぎ捨て、筋肉に引き締まった胸板を堂々と蝋燭の灯に晒した。
「この間のように抵抗しないのか?ん?」
 王子の執拗な責めに耐えかね、無駄な抵抗を試みたのはつい三四日前のことだったか。
食事の際に宿の下女が下げ忘れて行ったナイフ---唯一の頼りない武器だけを手に
トンヌラは一か八かの賭けに出、そしてあっさりと負けた。戒めの鎖は彼を嘲笑うかのように
枷となり、たちまち王子に組み敷かれたトンヌラはそのままの姿勢で何時間も
犯され続けた。
たとえ鎖で縛られていなくとも、あんなナイフでは---いや、どんな武器を与えられたとしても
彼の身体に瑕ひとつつけることはできなかっただろう。
「無駄だから………あなたに逆らったって……かなうわけ…………」
かすれた声で応える。今の彼にはなにも残っていなかった。王族の誇りも。人としての尊厳さえも。
「そうだ。お前は、俺の何なんだ?言ってみろ」
それは辱めの始まる合い言葉だった。
「……僕は……貴方様の牝奴隷……性欲処理便器としてしか価値のない……
 いびつな肉体の、女です………………」
震える唇は、どうにか途切れずに言葉を紡ぎ出した。激しい自己嫌悪と悔しさが胸中で渦巻き、
こみあげる吐き気を必死にこらえる。しかし、最近ではかえってこの儀式がトンヌラの壊れそうな
魂に逃げ道を与えていた。
 あれは、僕じゃない。プライドのかけらもない、見知らぬ淫らな女だ。
そうして自分は行為の間中、ずっとあの幸せな夢想に心を泳がせていればよい。そうすれば
『サマルトリアの王子』は汚されずに済む。いつしか彼の自我は脆く崩れ始め、意識しないまま
数多の欠片に分裂する危険な瀬戸際に立っていた。今日も半ばうつろな目のまま主に跪き
服従の証を示そうとした時---突然、強く髪を引かれた。
「そうか、女か。よしよし……」
ズィータは壁に下がる大きなカーテンに手をかけ、ひといきにむしり取った。
(えっ……!?)
そこには金髪の牝奴隷が怯えた目を見開いていた。カーテンと思っていたのは大きな姿見にかけられたカバーだったのだ。
「よく見ろよ、トンヌラ。あれがおまえだ」
「あ……そんな……」
ズィータはトンヌラを背後からがっしりと抱き、乳房を握りしめた。
「ぃつっ……!!」
女として開発され急速に膨らみつつあるその部分は、成長期の少女のように少しの刺激にも
敏感だった。彼が声をあげると鏡の中の女もそれを真似る。
「お前はお前だ。くだらねえ妄想に逃げた所で現実は変わらねえ」
「……!!」
嘲笑まじりに耳元で囁かれ、かっと頬が熱くなる。浅はかな現実逃避はとうに見透かされていた。
「ふっ……ぁ」
ぬるり。女性の部分を熱い昂りが擦る。独活の若芽のような頼りない突起を持ち上げる、
既に形状から異なる巨大な肉槍。感じるまいと抗っても牝としての調教を夜毎仕込まれる身体には
空しい努力だった。
「ぃや……やだ……こんなの………………」
甘い吐息を必死に押さえ、王子を睨みつけようとする。鏡にうつる視線は、しかし、
これから加えられる主人の愛撫に期待を押さえられない淫らな雌犬の視線そのものだった。
トンヌラは必死に瞼を伏せ、そちらを見まいとした。
「おら---目ぇあけろっつんだよ!!」
「ひぁううぅぅ!!!」
充分に濡れていないその場所へ猛々しい剣を捩じ込まれ、悲鳴に近い声をあげる。
身体の芯を支配する疼痛。こじ開けられた膣は、まだ無条件の快楽を享受できるほどに
鍛えあげられてはいなかった。
 王子はトンヌラを背後から貫きながら頭を掴み、無理に視線をあげさせた。
「ちゃんと見ろ」
「ひ……いや……いやっ……赦して……!!!」
あれが僕。後背位から乳房を握られ、立ったまま牝肉を犯されている---
あれが、あの金髪のいやらしい女が僕なのか。ちがう、僕は王子で、やさしい仲間と---
もう遅かった。何度反芻しようとしても、あの無邪気な夢想は二度と戻って来ない。
鏡の中で女の脇腹が撫で上げられるとトンヌラの身体にもぞくぞくした快感が伝わる。
トンヌラが女壷を突かれれば女も切な気に喘ぎを漏らす。
「やめて…………おねがい……やめてよおっ……!!!」
いつしかトンヌラは声をあげて泣いていた。ともすれば全身を包み込もうとする
甘いうねりを必死にこらえながら。
「いいか、お前はトンヌラ。間抜けな名前をひっさげたサマルトリアの牝犬だ。
 その昔は王子と呼ばれていたが……今はただの、俺の性の玩弄物」
……そうなんだ。獣の姿勢で激しく責め立てられながらトンヌラは悟った。
僕が壊れることなんか、この人は許してくれない。
思えばムーンブルクの王女に、彼は何をした?
きっと僕が舌を噛んで自害しようとズィータは何度でもみっともない死骸を引きずって
教会へ向かい、つかの間の眠りから叩き起こすだろう。
生きたまま王族の誇りを剥ぎ取り、屈服させること---それが彼の復讐の第一歩なのだから。
 鏡に映る淫売はいつしか激しく喘ぎ、淫らな言葉を叫びながら男にむしゃぶりついていた。

事を終え、無防備に眠ってしまった彼を見ながらトンヌラは脱け殻のように座り込んでいた。
膣から流れ出す精子をぬぐう気力も無い。こんなことを続けていたら、遅かれ早かれ
この身には…彼がそう望むように…赤子が宿ってしまうだろう。
 ……無垢なる魂。僕ははたしてその子を上手く憎む事ができるだろうか。

(……あ………………)

 まったく突然に、答えが見えた。
自分は彼に到底敵わない。逃げる事も出来ない。けれど、勝つ事はできる。
 愛してやればいいのだ。すべてを赦し、彼を受け入れればいいのだ。
彼の望みはロトの血を引く者が己を憎み、絶望の中堕ちていくこと……
ならば。
彼を愛し、その全てを受け入れ、ともに歩いて行くならば、彼の目論みは潰える。
奴隷に愛される主という最大の屈辱を与えてやればいいのだ。

でも、そんなことができるだろうか……?
こんな非道な男を無条件に愛せるのは、きっと…聖母か女神だけなのに。

蝋燭も消え闇に包まれた部屋の中で、未だ「少年」の血を濃く面影に宿した彼は
手に入れた唯一の可能性をどう受け止めればよいか…………答えを出せずにいた。
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Date:2009/11/05
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Thema:18禁二次小説
Janre:小説・文学

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