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□ 鋼鉄のアレフ □

てつのアレフ

『てつのアレフ』

 森に囲まれたお城に、王子さまがおりました。
王子は黄金の油に染めたようなつややかな金のかみをしていましたので、みなから
マシーハ、香油を注がれた子と呼ばれていました。
あるひマシーハ王子は森へ母様の好きないちごを摘みにでかけました。お城のものたちは
魔物が出るとおそれてだれも森へは近付こうとしませんでしたが、なぜか小さな王子をみると
けがれのものたちは自ら逃げていくのです。
 いちごをつみながら、王子はいつも足を踏み入れない森の奥までやってきました。
"人間の子が、こんな所でなにをしている"
きゅうに聞こえた声におどろいてふりむくと、全身を鉄におおわれたえたいのしれない魔物が
やぶの中から王子をみつめていました。はじめはよろいをまとった人間のようにも
見えましたが、かぶとの奥で光る血のいろの目はどうみても魔物のものでした。
「かあさまにさしあげるいちごをつみにきたんだ。かあさまはからだがわるくて、歩くことが
 できないから」
王子は魔物におびえることなく答えました。
"城のそとには魔物がたくさんいる。こわくはないのか"
「あなただって魔物でしょう」
"なるほど、そうだな"
すると鉄の魔物はおかしそうにきしんだ笑い声をたてました。
「魔物がおそってきたら、この剣でやっつけてやる」
魔物は王子の腰につるされた剣を指差していいました。
"いさましいことだ。世界をまもる英雄にでもなりたいのか"
「ううん。ぼくは、とうさまみたいになりたいだけだよ」
"父親?"
「なくなったとうさまはりっぱな騎士さまだったんだ」
"……そうか………………"
 鉄の魔物は古びた剣をとると、目にもとまらぬうごきで目の前のしげみを切り開きました。
王子の手に実をたっぷりつけた木いちごの枝がとんできておさまります。
「すごい!すごいや!! ねえ、ぼくにも剣をおしえてよ」
目をかがやかせる王子に、しかし魔物は首をふりました。
"ひとが魔物とかかわってはならぬ。お前の様な黄金の子は、とくに"
「……そうなんだ」
しょんぼりとする子供に魔物は言いました。
"---だが、お前が望むなら、わたしはおまえの剣となろう。わたしの助けが必要となれば
 森へ来て名前を呼ぶがいい"
「うん!」
木いちごの枝を大事にかかえて、マシーハ王子は元気にうなずきました。
「ねえ、あなたの名前は?」
魔物は木漏れ日に鋼鉄の腕を輝かせ、どうどうと答えました。


「てつのアレフ」

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Date:2009/11/24
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Thema:二次創作:小説
Janre:小説・文学

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